2,5次元俳優おたくが宝塚『花より男子』を見て号泣した話。
※テンション高いよ!
私は大好きです!ミュージカル韓国版(K-POPを通っていない若手俳優おたく兼ジャニオタがソウルまでミュージカルを見に行った話)から約2年ぶりの花男舞台現場!と言うことで行ってきました宝塚!
ンモー、めちゃくちゃ楽しかったです!!!!!
私は2016年のミュージカル版『花より男子』*1が大好きなのですが今回の宝塚版は、ミュージカル版の主軸である【つくしと道明寺の初恋のときめき・恋の甘酸っぱさ・その純粋なかわいらしさ】とはメインに据えられたテーマが全く異なっていたかと思います。
なので、歌やダンス、おおよそ同じ原作の部分(原作1~12巻くらい)と言う共通点があっても作品から受ける印象が全然違っていました。
宝塚の演目は男役のかっこよさを主軸に置かれることが多いと聞きました。宝塚版『花より男子』は、男役のかっこよさはもちろんなのですが、女の子が輝く!と言う少女漫画それ自体の大きなテーマともすごくリンクする部分があると思います。
加えて、その輝きがジェンヌさんにより最大限に増幅されていたものですから、なんかもう、胸がいっぱいで号泣~!って感じです。
また、原作やメディアミックスされた媒体(TBSドラマ版・ミュージカル版・おそらく韓国ドラマ版)からもうまく要素を取り入れつつ、さらに宝塚版独自のシーンチョイスもあって…と、とにかくてんこ盛りでした! 以下、ネタバレ込みで感想です!めちゃくちゃ長いよ!
【目次】
作品の主題~女の子がかわいく自分らしく輝く~
原作おたくとしてはOPで原作ビジュアルドーン!からのそれに合わせてF4登場で既に泣きそうでしたが、なによりも今作の主題である【女の子がかわいく自分らしく輝く】シーンになる度ににめちゃくちゃ泣きました…
2016年のミュージカル版と今回の宝塚版は序盤の流れがとても似ています。冒頭の語りがミュージカル版はつくし、宝塚版は道明寺と言う違いはありますが、英徳学園の紹介⇒F4の説明⇒つくしが道明寺に反撃する⇒赤札⇒つくしがいじめにあうと言う流れはほとんど同じです。しかも舞台美術の配置や役者さんの立ち位置など舞台の使い方もすごく似ています。
しかしつくしが道明寺にさらわれるシーンより宝塚版独自のシーン選びが入っていきます。『メタモルフォーゼ』のシーンです。背景の映像でエステだったり、ヘアメイクだったり…とつくしが外見を磨かれていく様子が一曲通して描かれていきます。
私はこのシーンでまず泣きました。
なんというか、自分を含めておたくって(クソデカ主語失礼)、容姿に自信のある子や自分に自信のある子はあまり多くなく、最近でこそ現場オススメコスメなどツイッター等でよく見るようになりましたが、私の場合ここ数年でようやくおしゃれとかお化粧とか楽しい!みたいな気持ちが生まれてきたんですよね。
つくしは英徳の生徒と比べて家柄も一般的な家庭ですし、自分にかけられるお金はほとんどありません。『お金持ちなんて…』と強がってはいますが、普通の女子高生としてコンプレックスがないわけではないと思います。それに付随してかは分かりませんが、謙遜したり自信がない発言も多々あったかと思います。
しかしこのシーンは、英徳の生徒のように生まれや育ちが特別じゃなくても、女の子はみんな素敵なものを持っているんだよ!みんな素敵になることができるんだよ!と言われているような気がしてまずめちゃくちゃ泣きました。
また、静の誕生日パーティーにて英徳女子3人組・リリーズにシャンパンをかけられたつくしが静にドレスと靴を選んでもらうシーン。 セリフはニュアンスですが、つくしと静で以下のようなやりとりがされます。(鳥頭で細部が覚えられないので全部勝手に生み出していた妄想だったらゴメンネ!)
静)この靴がいいわね。とても素敵。
つくし)こんな素敵な靴、あたしなんかには似合わないです。
静)そんなことないわ。きっとよく似合う。
そしてこのあとの着替えたつくしが真っ白なドレスで現れるのですが、それがめちゃくちゃ似合っていて、もう本当にお姫様みたいにかわいいんですよね。
めちゃくちゃ泣いておいてなんなのですが、『メタモルフォーゼ』時の衣装は、確かに素敵でしたがどこか垢ぬけきれていない印象がありました。*2
どうして『メタモルフォーゼ』の際は垢ぬけきれていなかったのか。それは道明寺によって無理やり連れ去られたため、つくし自身の意思が伴っていなかったからではないかと思いました。
それに加えて、『あたしなんかがこんな…』と言うつくしの劣等感を、花沢類の憧れの女性・静がきっぱり否定します。自分も憧れている女性に『すごく素敵よ』と自分を肯定されたことによって、つくし自身も外見も自分自身を認めてあげることが出来たのではないかと思いました。私も素敵になっていいんだ・素敵になれるんだ、と。
このシーンでまためっちゃ泣いた。 *3
これは宝塚版に関わらず花男自体、ひいては少女漫画全体テーマでもあると思うのですが、特に今回の宝塚版『花より男子』において、メインでストーリーに絡む3人の女性はすごく『自分らしく』生きている輝きがあったと思いました。
つくしちゃんはいわゆる「女の子らしい女の子」ではないですし自分がそれまで身を置いていた環境(公立)とは全く別の価値観・環境(英徳)の中に身を置いています。序盤こそ英徳で目立たぬように…と言っていましたが、赤札を貼られて以降は自分らしく振る舞うことを誓います。
静さんは自身の夢のために周りから羨まれるような家や富を捨てる決断をします。
桜子ちゃんはなりたい自分になるために多くの時間やお金をかけて、たくさんの痛みにも耐えてすべて「つくりかえ」ました。
3人とも自分らしく生きるために、決断し、選択し、それを実現しようとしている。
これが『普通』だから、誰かがそう言ったから。世間や周囲からの勝手な圧力に負けずに自分らしく、いるために全力で頑張るこの3人がすごくまぶしく見えました。また泣いた。
少し話が逸れますが、花男の登場人物たちって相手と自分を『個』として尊重するような、自立している考えをしているなぁと今回見て気が付きました。
花沢類が静さんを追いかけてフランスへ行くとき。道明寺がニューヨークへ行く決断を下したとき。寂しさを持ちながらも彼ら・彼女らはその決断を決して否定しないんですよね。相手を信じて応援する。これって実は簡単にできることじゃないなぁと思いました。
好きなシーンとミュージカル版との主題の比較など
あのね…F4の決闘シーンを入れてくれたのは宝塚版最大の功績だと思います…!天才…!!!!!
花男ってつくしがふらふらして道明寺が裏切られた…!ってキレて冷めて目が怖くなって…色々あって関係修復するのを12年くらいやってるイメージなんですけど*4、冷めた道明寺は感情も失いがちなので修復にめちゃくちゃ時間がかかる。
今回はこのF4のシーンを挿入することで、まだ道明寺の気持ちが冷めきらないうちに焚き付ける⇒強引につくしへの気持ちを戻すことに成功し、すごくスムーズに物語が進んだと思いました。そしてシーンとしてもめちゃくちゃカッコいい。
花男ってつくし-道明寺-花沢類の三角関係に重きが置かれがちですが、そこでF4の、幼なじみ4人の友情をしっかり描いてくれたことに感謝ですし、道明寺と花沢類が戦う前の曲でのシンメ感ヤバなダンスめちゃくちゃカッコ良かったし、止めに入る西門さん美作さんが殴られて結局4人で殴り合いする感じ…拳で語り合うあの感じ…ありがとう以外の感情が出てこない…
ありがとう…宝塚版『花より男子』…男女の恋愛だけが青春じゃない。熱い友情を確かに感じました。最高。
あと、つくしの道明寺⇔花沢類へのふらふら具合がめっちゃ原作通りで!笑
ミュージカル版は花沢類はただの憧れで『恋』としてのつくしの初恋は最初から道明寺だったのかなーと言う印象だったのですが宝塚版は原作通りちゃんと花沢類のこと好きですよね。だからチューもしちゃう。道明寺を失ってからその優しさに気づく~って言うのは少々強引かな、とも思いましたが前述のF4乱闘シーンを入れることで道明寺と花沢類の心情については個人的にすごく納得して追えました。
つくしのふらふらっぷりを見ているとたまに凄いな…と思うのですが(笑)、このつくしに対してのモヤモヤはTOJのシーンが入ることによって解消されました。最終審査の《良妻賢母》の審査。あんな高いヒールで側転かました時点で、いや…好き…ってなりました。いやこれは城妃美伶さんのポテンシャル勝ちです。城妃さんがつくしでよかった。
あと西門・美作推しとしてはTOJのレッスンシーンがサイコーでしたね!西門さんの着物姿マジマジのマジで沸いた!!!!!(語彙力の消失)
ドラマ版・ミュージカル版・原作へのリスペクト
これは色んな要素をうまく混ぜているな~と思いました。見る方それぞれが抱く花男を拾ってくれたと言うか。どれを見ていても『そうそう、花男ってこうだよね』みたいな要素が必ずあったのではないかなと思います。
2016年のミュージカル版では原作の再現と言うよりは演劇作品であることを意識していたように思います。人が演じていて自然かどうか、みたいな。しかし宝塚版は会話としては普通こんな言葉選びしないやん!といった違和感が多少あったとしても原作のシーンやセリフをきちんと再現することへのこだわりがあったように思います。
また、つくしの『ありえないっつーの!』や花沢類の『まーきのっ』などは確実に広く認知されているであろうドラマ版を意識してだなと思いました。フラワーランドのオブジェも恵比寿ガーデンプレイス時計台広場ですよね。
ビジュアル面もかなりドラマ版を意識していたように思います。希波らいとさんがめちゃくちゃ松田翔太っぽかったり*5、弟の進がかわいい感じだったり。(個人的に原作はもうちょっとしっかりした性格のイメージ)
あとフラワーランドで観覧車に一晩閉じ込められる展開、原作やTBS版ドラマでは雑居ビルのエレベーターだしなぜ観覧車?一晩放置されることはなくないか…?などと戸惑っていたのですが、韓国ドラマ版は観覧車で一晩じゃなかったっけ!?ここはもしかして韓国ドラマ版リスペクトなのか!?と数日経ってから思い出しました。他にも観覧車ってありましたっけ…花のち晴れではありましたけど…読み返さなきゃ。。。
さらに、前述しましたが舞台美術や序盤の構成はミュージカル版からだと思います。おそらくおにぎりも… 私はこのミュージカル版にすごく思い入れがあったので、原作、ドラマ版だけではなくミュージカル版も取り入れてくださったのが嬉しかったです。
あと個人的には最後のレビュー(であってる?)で季節感無視のサンタコスプレがアプリ版*6のトンチキさを彷彿とさせて最高でした。西門さん美作さんがサンタ服着てくれるのアプリ版か宝塚版くらいじゃない?さすがに脚本家さんがアプリ版をやっていたとは思えないのでこれは私の一方的で勝手な感謝です! アプリ版めちゃくちゃ大好きだったので今からでも良いのでメインストーリーだけでも課金で買わせてくれ~~~それか移植してくれ~~~~~F4と恋させてくれ~~~~~
宝塚現場の感想、気になったジェンヌさんなど
これはある意味宝塚の強みだと思うんですけど、年次の縦社会がはっきりしているのでストーリーを冗長にさせるシーンやベテランだから時間使ってるな~みたいな忖度シーンがなくてすごく見やすいなぁと思いました。
そんなシーンが沢山あるようなことはないですけど、あーこの人歌うまいからそんなにメインじゃないけど曲数多いんだなーとかこの人人気あるから(ry みたいなやつ。誰がメインか、と言うのが本当にわかりやすく作られているのが良かったです。
あと2,5のおたく的にとにかく一番びっくりしたのが公式での福利厚生の手厚さです…!
(花より男子の場合)パンフレット600円て正気か!?って思いました。*7 韓国版ミュージカル版のパンフレットが10,000ウォン(第2版が12,000ウォン)でも激安やん!って思ったのに…しゅごい…
しかもメインキャスト以外の全員の顔写真もちゃんと載ってるし、全部の場の曲一覧と出演者一覧が載っているのもしゅごい…ジャニーズJr.担なんて誰のバックについているか、どこの現場に出演しているのかもガチャなのに…()
強いて挙げるなら物販で何が売ってるかネットとかで事前に一覧見れると嬉しいかなと思いましたが、終演後は物販全然混んでなかったので一切不便はなく、別にいいかってなりました。
しかし何故か推しキャラ(西門さん・希波らいとさん)の個人ブロマイドがなくて泣いた。
お友達に若手だから…と教えてもらいましたがメインなのでご用意してほしかったよぉ!これを書いているうちに絵柄公開されたステージフォトもなかったですね…年功序列無念なり…
あと客席がお上品…!お友達曰く平日マチネ公演だから土日よりは年齢層は高めとのことでしたが、なんか…会場に漂う香りがめちゃくちゃお上品!いや2,5現場とかジャニーズ現場もくさいとかではないんですよ!?若い女子のいい匂いなんですけど甘い香水の匂いが多いんですよね。しかし、今回はお化粧品の粉の匂いと言うか、香水の匂いとは違うなぁと思いました。ふわっと漂う感じ(?)
あとお客様の言葉遣いがきれい…!席の前を通る時など『失礼いたします』『申し訳ございません』などとナチュラルに飛び交っていた…たまたまかもしれないですけど『すいませ~ん』とか誰も言わなかったんですよ…私も真似しよう!って思いました。
気になったジェンヌさんは推し(西門さん)を演じてくださった希波らいとさん!スタイルが鬼良くてで一人黒髪だったこともあって舞台上ですごく目を惹きました。ビジュアルが松田翔太だった。着物天才。あと笑ったお顔がかわいい。笑うたびに周りにお花が舞ってた(真顔)
あと桜子ちゃんを演じた音くり寿さん。お歌がめちゃくちゃうまい!!!演技も迫力があって好きだな~!と思いました。
お顔で言うと生徒役でサイドテールのメガネ女子だった桜月のあさんがめちょ美人で素敵でした!F4いないときはずっと見てた。
6,000字以上書いてる!締めます!花男はいいな!毎年なんかしらメディアミックスしてほしい。とか言いながら海外ドラマ版は全然手を出せてないので昨年製作の中国大陸版とか見たいな!Netflix入らなきゃだな!
おしまい!